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時宗のお葬式マナー

時宗(じしゅう)という言葉、聞いたことがあるでしょうか

時宗という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
時宗というのは浄土教の宗派で御本尊は阿弥陀如来で、誰もが波阿弥陀仏を唱えることで救われるという教えを持っています。

この時宗の総本山は神奈川県藤沢市、清浄光寺(しょうじょうこうじ)であり、一遍上人が約700年前に開いたとされています。

あまり全国的に知られていない宗派だと思いますが、実は私達にとって非常に身近な事が関係しています。
夏、お盆の時期に地域や学校で行われることがある盆踊り、この期限が時宗にあるといわれています。

元々「念仏宗」と呼ばれる時宗では、鉢をたたきながら波阿弥陀仏を唱えるというものが、念仏と共に踊りを行うという念仏踊りに変化し、現在の盆踊りにつながったといわれています。
つまり盆踊りの期限が時宗にあったということになるのです。

浄土宗からさらに進化し、波阿弥陀仏という言葉自体に絶対的な力があるとされるこの時宗は、踊り念仏によって広める全国遊行を行いました。
その為時宗は遊行宗ともいわれるのです。

昔は時衆と呼ばれていたのですが、源氏の様に宗という字を用いるようになったのは江戸時代以降です。
阿弥陀経を根本経典としており、臨終終時(りんじゅうしゅうじ)(臨終、死を迎える直前の時期)を説いてきた宗派です。

平生が臨終のときとして心得るという考え方を持っていて、南無阿弥陀仏を唱えていれば現世で浄土往生が約束されると解いています。

時宗の葬儀のマナーを知っておきたい

時宗の葬儀マナーとして、葬儀の際には焼香の回数が1回から3回とされています。
この焼香の際に、左手に数珠をかけてお香を軽く額にいただき(額の方に香木をもっていくという所作)香炉にくべます。

焼香の回数については僧侶によって考え方に違いがあるので、回数に迷ったら何回がいいのか?確認してみるといいと思います。

時宗の戒名について

通常、葬儀が終わると戒名を与えられることが多いのですが、時宗では戒名と呼ばず法名としています。
法名は男性が阿弥陀仏、女性が一か仏という文字が入り、阿という号がつくとしても知られています。

室町時代後期には文化、芸能エリアについても時宗の法名がみられ、例えば猿楽師の観阿弥陀、世阿弥陀、茶道の台阿弥陀等法名が付けられました。
こうした文化、芸能の道の方々に時宗の法名が利用されていたということをみても、この時代辺りは、時宗が文化の主軸を担っていたということがわかります。

念仏踊りが盆踊りになる等、全国的に遊行を行ったことで時宗の名が知られていなくてもその文化を色濃く残してきた時宗、こうした時宗の葬儀に参列することもあるかもしれません。